ああっ女神さまっ

藤島康介による日本の漫画作品。およびそれを原作としたアニメ作品群。

契約


神属と人間とが交わす恵の関係。契約には

 1. 天上界のメインシステムであるユグドラシルに選ばれた者の電話が1級神2種非限定免許を持つ女神のもとへつながる
 2. 呼び出しを受けた女神が地上界に降臨
 3. 女神が契約者の願い事を聞き入れ天上界へ送信
 4. ユグドラシルに受理される
 5. 契約成立

という過程をたどる。本来、契約を終えた女神は天上界へ戻り次の呼び出しに備えるが、螢一の場合「君のような女神に、ずっとそばにいてほしい」と願ったため、螢一と契約したベルダンディーは地上界に留まり共に生活している。そのためベルダンディーは螢一と契約した後に新規の契約を結んでいない。きわめて低い確率ではあるが、螢一がペイオースと契約したように同じ契約者が二度ユグドラシルに選ばれ他の女神と再び契約を結ぶ場合がある。この他に魔属が人間や神属と契約を交わす場合もあり、その履行は厳守される。結んだ契約は破棄することも可能。


あらすじ


某県の猫実(ねこみ)市にある猫実工業大学とその周辺が舞台(モデルとなった実際の風景や建物についてはモデルを参照)。 物語は主人公で(連載開始当初)猫実工大生の森里螢一(もりさとけいいち)が『お助け女神事務所』に間違い電話をかけてしまったことから始まる(螢一は、自分が電話番号を間違えてしまったと思い込んでいるが、実はそうではなく、螢一を救済するために神界でのシステム「ユグドラシル」の機能が働いたことによる、必然であった)。

間違い電話に気付いて慌てて電話を切ろうとした螢一だったが、電話先の相手は「今からそちらに伺います」と言い残し、次の瞬間に鏡の中からベルダンディーと名乗る女神が現れた。女神のベルダンディーは慌てふためく螢一に、如何なるスケールの願いであっても「たった一つだけ」叶えると言う。 螢一は、今まで女性と縁が無かった事とベルダンディーの美しさに圧され、つい、「君のような女神に、ずっとそばにいてほしい」と言ってしまい、 ベルダンディーと螢一は共に日常を過ごすこととなった。

この「たった一つのお願い」は大富豪となることも、世界の滅亡を招く事も正に「お望み次第」だった訳だが、結果として螢一の「チビで貧乏、不細工でモテないというコンプレックス解消」である「ベルダンディーとの交際」という望みは叶えられ、2人(?)は様々な幸運(強制力という神秘的な力)に助けられて、一つ屋根の下に一緒に暮らすこととなる。さらにこの同棲生活に干渉するべくベルダンディーの姉で薬マニアのウルドと妹でメカフェチのスクルドも押しかけ、螢一は益々「非常識な日常」を送る事と成った。

ストーリーは、螢一とベルダンディーの交際話はもちろんのこと、螢一が所属する自動車部での出来事や、猫実工大の人々の話、女神の活動範囲の侵食(シェア争い)及び封じ込めにやってきた悪魔マーラーとの対決(や交流?とその結果起こる破壊と再生)など、様々なストーリーが同時進行の形で展開していく。



概要


「日常世界に非日常的な存在が現れて活動する事により発生する騒動を描いたラブコメディ」作品で、着想点自体には際立った新規性は無いものの、日常と北欧神話をベースとした神々や魔族(ただしその存在はどちらかというと、一般に言う所の精霊により近い一方で、人間臭い存在でもあるノルンなど)の絡み方に特筆すべき描写が多く、また徹底したドタバタかと思えば淡い青春物語であったり、SFらしい要素を含んだり、モータースポーツ漫画でもあったりといった多様性も見せ、多くのファンを獲得している。

様々な事象のパロディやもじりも多い。また、本作品は他の作家にも多くの影響を与えている


ウルド[Urd]


声優:冬馬由美(アニメ化以前のイメージドラマCDでは松井菜桜子)

170cm、90-60-91

ベルダンディーの姉。2級神管理限定。過去を司る。他力本願寺に居候中。

螢一とベルダンディーにちょっかいを出すために職場を放棄して地上界に降り、さまざまなペナルティも受けたが現在は正式に地上界勤務となっている。

ベルダンディー、スクルドとは異母姉妹。魔属の母(ヒルド)との間に生まれたため、神属と魔属の両方の血を受け継いでいる(半神半魔)。

薬フェチの化学者で、特に惚れ薬や自白剤など怪しい薬を作るのが得意。その薬は見た目・名前とも怪しくその効果は「全く利かない」か「効き過ぎ」る程の極端なもので、他の法術の影響を受けるとさらにとんでもない効果を発揮する。

享楽的でいい加減さが目に付くが、根はしっかりしており、妹たちを思う気持ちは誰にも負けない。しかし、元々「目的のために手段を選ばない」性格の上に、過熱すると「手段のために目的を忘れる」という本末転倒に陥って暴走することが多いため、熱心になるとろくな結果に成らない。とは言え、年長者らしい的確な助言を送る事もあり、また冗談混じりの行動の端々にも細やかな気遣いが見え隠れしている。螢一とベルダンディーが一線を越えられるようにと、余計なおせっかいを焼くことがある。

性格的に向いているのか、攻撃系の法術を得意とする。普段は雷系の法術をよく使い、そのためか移動にはテレビを媒介としている。また、ユグドラシルの管理神であるためコンピューターゲーム全般も得意(というより、「簡単過ぎてつまらない」と語っている)。

従えている天使のワールドオブエレガンス(優雅なる世界)は彼女が半神半魔であることを象徴するように、左右で黒と白という翼と髪を持つ。最初にその姿を現した際、ショックを受けた宿主のウルドに拒絶されてしまい、その後の相当期間、姿を現さなくなったが、ウルドの(自らの生い立ちを受け入れた上で)再度の呼びかけに応えて、再び姿を表すようになる。なお、ワールドオブエレガンスは火属性である。

演歌を聞くと寝てしまう奇癖がある。酒(特に日本酒)が好物で、一時期、活動エネルギーの供給源だった。

2級神管理限定といえど力はベルダンディー同等もしくはそれ以上であり、いつでも1級神になれる力がある(ペイオース談)。しかし、1級神に課せられるある制約をよしとしないため、過去に1回、作中に1回、1級神になれるチャンスを蹴っている。

また初期のころは嘘を付くことが多かったため(女神は絶対についてはいけない)、免停となってしまいベルダンディーと同じように一時期法術が使えなくなった。それを逆手に取られて魔属の血に目覚めてしまい、天上界を含めた大混乱を起こしたこともある。

登場初期はベルダンディー同様自動車部に入部同然で出入りしていたが、田宮達の卒業とほぼ同じ時期からは大学にあまり来なくなる。


ベルダンディー[Belldandy]


声優:井上喜久子(産休により「ああっ女神さまっ 小っちゃいって事は便利だねっ」1〜13話のみ岡村明美が代役)(アニメ化以前のイメージドラマCDでは日高のり子)(OVAの幼少期は冬馬由美)。

165cm、83-57-84

『お助け女神事務所』所属、1級神2種非限定。現在を司る。螢一と共に他力本願寺に居住。日本語版では「ベルダンディー」と呼ばれて言るが英語圏のコミックやアニメでは「ベル」という愛称に省略されている。

猫実工大には正式に入学していないが、うやむやのうちに学籍を手に入れ、螢一と一緒に通学していた。自動車部も正式に入部したという描写はないが、入部していないとしても部員同然に扱われている。現在は正式に「WHIRL WIND」で事務員兼お茶くみ係として一緒に働いている。

当初は螢一のことを契約者として見ていたようだが、現在は螢一を一人の男性として心から信頼し、愛している。

おっとりとした性格であるが、少し抜けている面もある。もともとは(恋愛に関して)積極的な一面や、子供っぽい一面も持っていたが、ウルド、スクルドの登場で、それらの性格はそれぞれに引き継がれた。

歌が好きで良く口ずさんでおり、その歌唱力は超一流である。だが、暴走すると周囲一帯の全てを魅了する恐るべき力を持つ(当人に自覚無し)。

家事全般が得意で家庭的な印象が強いが、天界のほうきレースで六連覇を成し遂げるなど、活動的な一面も持っている。

誰に対しても優しく接し、その有りのままを愛するため、人望は極めて厚い。また、普段は滅多に怒ることはないが、稀に本気で腹を立てた時の迫力は静かながらも凄まじく、その時はウルドやスクルドでも逆らえない。ウルドが登場したときは怒りっぽい性格になっていたが、スクルドが登場してからはまたおとなしくなった。

法術は大抵のものをそつなくこなせるが、特に風を使った術を得意とする。鏡を使って瞬間的な空間移動を行うが、鏡以外でも光を反射する物(キーホルダーのメッキ部分など)なら可能である。また、天使ホーリーベル(清らかなる鈴の音)を従えており、大規模な法術を使用する場合は、彼女にサポートを頼むことがある。

法力はかなり高く、普段は左耳のピアス(封環)で封印している。法術を使用することにより、体力も大きく消耗するため、法術を使い過ぎると何処でも寝入ってしまう(これはベルダンディーが睡眠によって活動エネルギーを蓄えるためである)。

過去に一度、女神免許の更新を忘れて免許を失効してしまい、再発行までの一週間法術が使えなくなってしまったことがあり、この時は一週間限定で「普通の女性」になってしまった。

紅茶を好み、銘柄など、紅茶全般に造詣が深い。

酒を飲んでも酔わないが、なぜかコーラを飲むと酔って泣き上戸になる(酔っていても、困っている人の願いを叶えようとするが、法力が暴走気味となり、辺り構わず幸福をばらまいてしまった。しかし、幸福の絶対量は決まっているため、反動で起こる全ての不幸は自動的に螢一が被ることで相殺される形となった)。

嫉妬すると無意識に力が漏れてしまい、「ジェラシーストーム」と呼ばれる嵐やポルターガイスト現象などが起きる。


森里螢一(もりさと けいいち)


声優:菊池正美、OVAの幼少期は緒方恵美(アニメ化以前のイメージドラマCDでは山口勝平)

本作品の主人公。北海道釧路市出身。それぞれの翼22話で高校がでたが、モデルは北海道釧路北陽高等学校であった。機械いじりとオートバイが趣味の平凡で真面目な大学生。少々へタレだが、優しく思いやりのある性格。現在、猫実工業大学5回生(第二外国語の単位不足で卒業できず留年中(アニメ一期ではドイツ語の講義があると言っていたが))。自動車部部長を歴任。普段はモーターサイクルショップ「WHIRL WIND(ワールウインド)」で働く。

オートバイの運転の腕はかなりのものである。また機械いじりの才能は異世界の機械種族をして「機械の気持ちがわかる人間」と言わしめるほどで、設計から整備・改造まで、全てをこなす。

愛車はBMWのサイドカー、レンシュポルト・オスカー・リーブマン・スペシャル風のオリジナルで、自ら分解整備を日課のように行っている。祖父の手ほどきによる飛行機の操縦や、あまり人前で披露は出来ないもののようだがギター演奏も出来る。以前は水泳が苦手だったが、ベルダンディーの手ほどきによってある程度泳げるようになった。

住職が不在の他力本願寺に居住。ベルダンディーとは相思相愛の仲だが、かなり優柔不断な性格と大勢の同居人がいるという生活環境のため、未だにキス止まり…とはいえ、その絆は非常に深い。